<BODY>C 背景画像

 

  <BODY>〜</BODY>の4回目です。
 これほど<BODY>タグが多いのも<BODY>タグがページの文章本体部分を表した重要なタグでその属性で初期値を表すことが多いからです。
 以前に背景に色をつける属性(BGCOLOR=)を紹介しましたが、今回は単に色でなく画像を利用する<BODY BACKGROUND="">という属性です。

 いまやホームページの数は数え切れませんが、それらのページを見ていると背景全体にきれいに模様で装飾されているものがあります。
 ホームページをつくったことがない人なら、「こんなに大きな画像を使ったらページが重くなるだろうに」と思われるかもしれません。
 もちろんページの中にはデザイン重視のために重くなることを覚悟、承知の上で大きな1枚画像を使っているケースもないではありません。
 ただ、背景画像の多くは今回紹介するBACKGROUND属性によってタイルパターンとして使っています。タイルパターンとは風呂場のタイルのように同じ模様を縦横にならべることによって全体を敷き詰めることです。
 実際のタイルならたとえ同じ模様であっても敷き詰めるためには多くのタイルが必要ですが、ことコンピュータにおいては同じ画像ならいくらでも複写できますのでサーバから送られた複写元の1枚の画像ファイルのみで十分なのです。ですから重くなることもありません。(ワープロを使ったことがある人なら複写機能は理解してもらえると思いますが、この複写を機械自身が自動的に行うのです。)

 前回までのTEXT属性やLINK属性などと並行して使うことができます。

 例 <BODY BACKGROUND="pic001.gif">〜</BODY>
   <BODY BACKGROUND="../pic001.gif">〜</BODY>


 今までの属性と違うのは色コードや色名のかわりにpic001.gifといった画像ファイル名が指定されていることです。ここで指定する画像ファイルはHTMLファイルとは別に用意しておかなければなりません。
 上の二つの例文は同じ画像を背景に表示する書き方ですが、なぜか二つ目の方は変な記号(../)がついています。これをパスといいます。(厳密にはファイル名を含めたものをいいます。)
 パスとは聞いたことがあるが何のことかわからないという人が多いのではないでしょうか。いろいろなHTMLの参考書はでていますがパスを詳しく説明したものは案外ないからです。
 パスは初心者がコンピュータを初めて最初に挫折することの多い箇所でもあるようです。
 パスとは道筋(path)のことで、現在実行しているファイルから見て該当のファイルがどの位置にあるか(相対パス)、あるいはデバイスのルート(一番上の階層)から出発して該当のファイルがどういう位置にあるか(絶対パス)を記述するものです。
 ただ、サーバとクライアント(ユーザーのパソコン側)はファイルを置く位置が違うのでパスも当然違っています。そのためページ群がどの位置にあっても問題がないように普通は相対パスを使います。
 Excelの関数を知っているならセルを参照するときにその呼び出し側からどれだけ離れているか(相対指定)で指定したり、セルの座標(絶対指定)で指定したりしますが、考え方は同様のものです。
 つまり、Excelではセルとセルの位置関係を表しますが、パスはコンピュータのデバイス(ハードディスクなど)上の位置関係を表すものです。
 本当はここで詳しく説明するといいのですが、話が長くなるので申し訳ないのですがいずれ<IMG>タグの項で詳しく説明したいと思います。
 したがって今回の例文を元にご自身でプログラムを作ろうという方は、当面、背景画像をつくられたらパス指定の必要のない呼び出し側のHTMLファイルと同じ階層、つまり通常は同じフォルダ(ディレクトリ)内に置いてください。
 この説明がわかりにくければ、ウィンドウズエクスプローラで右側のファイルが列記される場所にHTMLファイルと画像ファイルが同時に表示されるように保存してくださいということです。

 今回、例として次の画像を使ってみます。

 


 「お前の宣伝か」といわれそうな他人には
面白くもない画像ですが説明のためにお許しください。この画像1つのサイズは504バイトと画像としてはそう大きなものではありません。
 ただ、もしあらかじめ敷き詰められたものを1つの背景画像として用意すれば少なくとも20KB以上は必要となります。

 次のリンクを押してください。上のチュー太の小さな画像をもとに背景全面(フレーム)にチュー太の画像が敷き詰められます。


             チュー太の背景のページ

 上の画像は64×64ピクセルというコンピュータでよく使う2の階乗の数を使っていますが元の画像の大きさはコンピュータが処理できる範囲において特に制限はありません。縦長や横長でもかまいません。1×800ピクセルなどといった極端な画像であっても特に問題はありません。実際、グラデーションなどを背景に用いるときなどによく使います。実例を次に示します。

 次の水平線は青から赤へのグラデーション画像1×1500ピクセルの見本です。(わかりやすいよう3×400に変形して表示しています)

         
 

 次のリンクページでは実際に1×1500ピクセルの画像を使っていますが縦がわずか1ピクセルのためPNGファイルでわずか500バイト程度のファイルサイズでおさえることができます。グラデーション上の段階的な帯は画像処理ソフトの出力精度によるもので、BMPでもかわりはありませんでした。  

           グラデーションの背景のページ


 見本のぺージでほとんどのスクリーンで完全な黄色になる前に右端が切れているはずです。これは幅が足りないだけであって、もし画面のピクセル幅が大きければすべて表示されます。
 なお、このように極端な画像であっても基本的に画像はタイルパターンを形成しますので(横スクロールを用いて)幅1500ピクセル以上のページを作れば赤が急に黄色になるという現象がおこります。
 
横幅1500ピクセル以上のスクリーンでも同様ですが、現在の時点でそんなスクリーンは珍しいでしょう。

 ピクセルという言葉がでてきましたが、このピクセルはドット(点)と同じことでスクリーン(画面)に表示させるための最小表示単位のことです。 
 つまり画面のプロパティでの設定が800×600ピクセルの場合、自分のパソコンの画面が横が800の点、縦が600の点にわけられ、その一つ一つが処理されることにより、いろいろな文字や画像が表示されていると考えてください。

 蛇足ですがWindowsユーザーの場合、自分のパソコンの解像度が現在どれだけなのかを確認するためには次の操作をおこなってください。

@デスクトップ画面のアイコンのないところで右クリック。
Aメニューから(画像の)プロパティを選択の上、(左)クリック。
B画像のプロパティの[設定]もしくは[ディスプレイの詳細]タブを選択の上、クリック。
C[画面の領域]もしくは[デスクトップ領域]を確認します。
D変更する場合は、そこのスライドバーをドラッグし希望のピクセル数にあわせます。(Win95の場合、設定後、一旦電源を落とさないと変更データは反映されないと思います。)


 
チュー太の画像のように上下左右に(色は問わず)マージン部分がある画像は問題ないのですが、グラデーション画像や次の例のように、左右あるいは上下両端が色が違うものについては十分注意が必要です。(あえて境目をつけたいときには問題ありません。) 
 次の画像は境目がはっきりしてしまう例です。 

 くどいようですが、タイルパターンにしたときには万華鏡同様どんな画像であろうともそれなりにきれいに見えるものです。
 いま説明しているのは、境目のないパターンをつくりたいにかかわらず境目が出てしまうことをいっています。
   次の例はインプレス社の「ホームページ用素材集」(定価3800円)から抜粋させていただきましたが、四方にマージンをつけたり、画像中央からの単なる線対称、点対称でないにもかかわらず境目がわからない程きれいにパターンがつくられています。
 背景画像をつくるときはこれくらい凝ったものを作りたいものです。 

(Original CG by SIFCA)

  都合により縮小加工させていただきました。この画像についてはご覧のように著作権が他社にあります。使いたいときには先の書籍をご購入ください。
 もちろん私も購入したうえで使用しています。

パターンがきれいに続くページ

 なお、境目の目立つ画像を処理する方法を一口メモで紹介します。

 



構 文

<HTML>
 <HEAD>
  <TITLE>
  </TITLE>
 </HEAD>
 <BODY
BACKGROUND="./gazou.gif">
 </BODY>
</HTML>

 

 


 

使用例

<HTML>
<HEAD>
</HEAD>
<!--BODYタグにより元になる背景画像を設定-->
<BODY BACKGROUND="C:\WINDOWS\花見.bmp">

<CENTER>
背景全体に桜の花の画像が出ていれば結構です。
</CENTER>
</BODY>
</HTML>

<!--と-->で囲んだ部分はコメントとして扱われブラウザ上には表示されません。

 パスの指定の説明がまだなのでこの使用例ではウィンドウズユーザーにあわせてウィンドウズ既存のファイルである花見.bmpを絶対パスで表示させています。この画像も境目のわからない画像です。
 なおウィンドウズ以外の環境やサーバにアップロードすると見ることはできません。花見.bmpファイルが既定の位置にないPCでも同様です。
必ずオフラインのウィンドウズ環境で試してください。
 なお、.bmpの拡張子のついたファイル(ビットマップファイルといいます)はファイルサイズが大きいためにホームページ上で使われることはほとんどありません。
 よく使われるのは圧縮された.gif(ジフ)や.jpg(ジェイペグ)などの画像です。詳細は<IMG>タグの項で。

 実際にご自身で新たなプログラムを作るときには必ず相対パスを使ってください。

 

 


 

表示結果

 


 


 

一口メモ

 

 画像がタイルパターンになっている場合、境界がはっきりしてしまうのは隣り合う部分の色が違ったりパターンが続いていないことが原因ですから、その部分をなくすか目立たなくすればいいわけです。ただ闇雲に修正を続けながら作っていては時間がいくらあっても足りません。
 ここでは特定のソフトを用いた説明はしませんが、どのソフトでも利用できる考え方のみ説明します。

 次の左の画像はタイルパターンの元となる画像を縦2個×横2個に並べたものです。
 そのままでも境界線はわかるでしょうがさらによくわかるように青い境界線をつけました。それが右図です。


     


 
上の右の図でそれぞれの画像の中心部分を線で結んだ領域内に注目してください。下の図のようになります。
 チョットわかりにくいでしょうが、同じ画像の繰り返しということは、4枚の画像の中心点を結んだ矩形部分(下の図の中央のはっきりしている領域内)にある十字の青線はすべての境界を含んでいることになります。


 
つまり、この部分の境界を目立たなく加工することによりすべての境界を目立たなくすることができる訳です。じっくり、よく考えてみてください。
 もしこの時点でわからなければ、この先の説明に進んでも多分わからないとおもいます。
 これは画期的な方法ですが、だからといってこれが使えないとHTMLが使えない訳ではないのでとばしてしまって差し支えありません。 


 この考え方からいけば、レタッチソフトで加工する前にこのはっきりした領域部分を作ってしまえば加工しやすくなる訳です。

 さて、もう一度、先の赤線で囲んだ画像を元の画像と比べてよく観察してください。すべてが交差する位置にあります。元の画像の左上の部分が右下に置かれ、右上の部分が左下にといった具合に交差する位置に入れ替わっていることがわかるはずです。

 このように元の画像の中心点を基準に4等分し(下の左図)それぞれ交差する位置どおしで交換して加工用の絵を作り(下の中央図)その境界をレタッチソフトで加工すればいい訳です。
 今回の花の絵のような場合には、加工用の絵の十字のあたりに上からさらに同じ花などをのせて隠していけば境界をわからなくすることができます。(下の右図。説明のため、新たに加えたところのみはっきりさせていますが実際は後の完成図と同じです。)
 この際に新たな境界をつくってしまわないよう、加工用の画像の四方の端に新たに加える絵がかからないよう特にご注意ください。

 これらの画像はわかりやすくするために縦横それぞれ2倍した画像です。 

 なお、間違えないでください。加工後は、もはやそれぞれの位置を元に戻す必要はありません。交換した時点で外側の部分はすでにつながっていたのですから。これが完成した画像です。

 絵が絵だけに、どこが違うんだなどの批判もでるかもしれませんが、それはこの題材のせいであって、この方法そのものは使い方次第で非常に有益です。いろいろ工夫してつかってみてください。
 
 
どんどん「一口」という言葉から離れていってしまいますが...。

※ 使用例をコピーして使いたいときは「講座の前に」をお読みください。